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パステルカラーの散歩道 [風の街]

私がこの街に来て、4年が経とうとしている。東京で過ごしてきた慌ただしい毎日を引きずって過ごしてきた毎日だった。
今年は新型コロナが流行して都会は大変なことになっているが、この風の街は何も変わりがない。これは少し言い過ぎではあるが、そもそも人口が少ないこの街は、自然が守ってくれている。
山々の緑には赤や黄色の葉が混じってきた。
いつもの散歩道にも色がついてきた。
このところ私が歩いている街露樹は、淡いパステルカラーの色がついてきた。とても優しい色だ。
街の木々は、いつも街の人々を優しく包んでくれている。
そして、今日も優しい風が街を吹き抜けていく。
ウィルスも風で拡散されていく。

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平重盛からの遺産:綾部八幡宮

綾部駅前から福知山に向かって県道を下って行くと、道の左手に綾部八幡宮の鳥居が見えてきます。
綾部八幡宮は、武士の時代から急速に全国に広がっていった岩清水八幡宮の別社の1つで、今では日本のどこにでもある武運の神様を祀った神社です。
この綾部八幡宮はその中でも古く、元慶5年(881年)に建てられたようです。
神社には貴重な文化財が今でも残されているだけでなく、綾部の人々の生活に根付き、愛される神社の1つになっています。
初詣はいうまでもなく、「お田植え式」などの五穀豊穣を願う祭祀が毎年行われています。
八幡宮を広めた平重盛は、自宅である六波羅小松第に48の灯籠を建てていたために灯籠大臣とも呼ばれていましたが、ここ綾部八幡宮にも重盛から灯籠が寄進されたそうです。
境内は緑に囲まれていて、時折鳴く鳥の声がかえって静けさを際立たせています。その自然の静けさが、平家の栄華の名残と歴史の重さを感じさせて、なんとも言えない哀しさを漂わせています。

本宮の隣から延びるたくさんの赤い鳥居に導かれて稲荷神社が建っています。赤い色が、ひときわ明るく、賑やかにさえ感じさせます。
きっと、夜になると狐たちがたくさん集まって、賑やかにお祭りをするのでしょう。
こっそりと、その祭りに参加してみたいものです。

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綾部八幡宮の本宮

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本宮の隣の稲荷神社
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鳥の楽園:たくさんの種類の鳥と一緒に

私が綾部に来て、もうすぐ3年になろうとしている。
その間、様々な鳥たちに巡り合って、その種類の多さに驚かされる。

我が家の庭の木には、様々な鳥がやってくる。
庭の木にやってくる鳥たちの代表は、やはりスズメである。賑やかにさえずる姿は、微笑ましい。
毎日くる鳥といえば、キジバトだ。「デーデー、ポッポ」とひとしきり鳴いて、あいさつしていく。
ヒヨドリ、メジロ、モズなどもやってきた。
これらの鳥は、都会ではなかなか見ない鳥なので、興味津々見入ってしまう。
次にきたのは、ジョウビタキとヤマガラである。
色合いは似ているが全く違う、美しい鳥である。
シジュウカラやホウジロもやってくる。
アカゲラもきた。赤い頭と胸をしたキツツキである。
そして、ウグイス。
「ホーホケキョ」と鳴く声が美しく、春には特に季節感がある。
夜になると、遠くの木の上からフクロウが「ホーホー」と良い声で夜の静けさをかもしだしてくれる。

ここまでくると、さすがに、他にどのような鳥がいるのか気になってくる。
田畑や由良川の散歩をしながら、つい鳥の姿を探すようになった。
ツバメやヒバリは、よく見かける街中や田畑の鳥である。
田畑で目立つ大きな鳥は、カラス以外には、シロサギとゴイサギである。
羽を大きく広げて、長い首をきちんとたたんで飛ぶ姿が美しい。が、鳴き声はあまり美声ではない。
大きな鳥といえば、いたずら者のトビがいる。大空を悠々と飛ぶ姿が王者の貫禄を見せつける。
王者といえば、私はその姿を見たことはないが、ノスリもこの地にいるらしい。

珍しい鳥もたくさん見かけた。
私が一番感動した珍しい鳥は、キジである。
赤い頭と緑の体で、長い尾をした美しい姿で、堂々と目の前を通り過ぎるのをみると、さすがに国鳥の風格がある。
少し地味だが、キジとよく似て長い尾が美しいヤマドリは、山の雑木林で時々見かける。
田んぼで見かけた珍しい鳥といえば、タシギである。長い脚と長い嘴が滑稽なくらい不恰好な鳥だ。
まさかと驚いたのが、用水路にカワセミがいたことである。川の上流で見かけることが時々あるが、まさか用水路にカワセミとは、大笑いだ。
この地のFM局の名前にもなっているイカルも忘れてはならない鳥である。

まだまだ、いろんな鳥を見かけたが、これ以上書くのはきりがない。
この地の自然の豊かさと、田畑の幸の豊かさが、豊富な種類の鳥の生態系を保っているのだろう。

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飛び立つシロサギ

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電柱の百合:綾部の優しい文化

夏も終わり、秋がすぐ足元まできています。
綾部の街も、少しずつ秋の景色に染まりつつあります。

そんなある日、町内を散歩していると、百合の花が電柱に寄り添うように咲いている姿がありました。
お盆を過ぎると、綾部の街では、百合の花が道端のあちらこちらで花を開かせます。
ですから、この時期にとっては、百合の花はそれほど珍しい花ではありません。
しかし、この百合の花は、少し様子が違います。
よく見ると、電柱に紐で縛り付けてあるのです。
ひょろ長い百合の茎が、風などで倒されないように近所の人が縛ったのでしょう。
少し時間が経っているのでしょうか、百合の花が少し枯れかけています。
しかし、その百合の花は嬉しそうに微笑んでいるように感じます。
綾部に住む人の、心の優しさが伝わってくるような光景でした。

綾部の街は、古代から様々な人が、様々な文化を作り上げてきた古い街です。
そんな人たちの中には、足利尊氏や、上杉謙信の先祖、あるいは坂本龍馬とお龍さんなどの歴史上の有名人や、浦島太郎や、大江山の鬼や、山椒大夫などのこの近隣の伝説や物語の世界の有名人もいます。
これらの有名人を取り巻く普通に暮らす多くの人たちは、もっとたくさんの文化を積み上げてきました。
その文化というのは何でしょうか。
この「電柱の百合」がそれを物語ってくれているように思います。
「優しい心を持って暮らしたい」という文化です。
有名人が歴史や物語の中に残した「心の遺産」、神社や寺や民家などの「建造物や造形物の遺産」、和紙や織物や竹細工などの「工芸遺産」、自然と人とが一体となった「自然遺産」など多くの文化遺産は、この「優しく暮らしたい」という文化が接着剤になって、その時代の人の思いを何重にも積層して綾部という街の中に染み込んでいき、それが多くの文化遺産を残してくれているのでしょう。

文化というのは、その地に住んでいる人が「このように暮らしたいと思う心」です。
工芸や暮らしの足跡などの文化遺産は、そのような文化が創造してきた財産です。
優しい人がたくさん住む綾部の街には、これからも優しい文化が生き続けていくことでしょう。

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電柱の百合
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山の動物と共存する:生きることの厳しさを知る

蒸し暑い梅雨です。
山の獣たちは、子供達が独り立ちを終え、山の恵みの中で生活をしています。
夏の間に体力をつけて、秋には次の生命を育むための準備を始めます。

綾部は山と人里とが隣り合わせにありますから、山の獣たちと人とが接触する機会がたくさんあります。
イノシシやシカ、それにサルやクマなどの雑食性の獣たちは、繁殖期から秋にかけて田畑を荒らすような「悪さ」をしに里に降りてきます。
キツネやタヌキを街中で見かけると、人は珍しがって餌を与えたりすることもありますが、これは良くありません。彼らが人里に現れることが常態化することを許してはいけないのです。
山の獣と人とは、生き物として戦っているのです。
しかし、互いに殺し合いをしたいわけではありません。
ですから縄張りを作り、その縄張りに侵入した獣には、殺さないまでもひどい目に合わせて懲らしめるのです。
夏は山の狩猟が解禁されます。
増えすぎた獣の数を減らし、山の食物だけで彼らが暮らせるようにすると同時に、人が彼らよりも圧倒的に強く獰猛な獣であることの見せしめにしなければなりません。
これは、何千年も続いてきた人と獣との生存競争なのです。
この力のバランスをしっかりと保つことが、山の獣と人とが共存できる大切なことなのです。

狩猟で捕獲した獣の肉をいただく「ジビエ料理」。
人と獣との共存の厳しさと生命の大切さを噛み締めて、味わい楽しんでください。

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子育てのために里に降りてきたキツネ
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山里の風景:人と自然が造った一番大切な平和の遺産

綾部の街中のいろんな所から道が山に向かって伸びていきます。
多くの道は、由良川の支流やきれいな小川に沿って、山里に続いていきます。
道の両脇には、水田や畑が広がります。
お年寄りがコツコツと作り上げてきた、こじんまりとした、小さな水田や畑です。
箱庭のような小さな街を支えている、箱庭のような水田や畑です。

たくさんの鳥や虫たちが、ここで一緒に暮らしています。
この鳥や虫たちが、作物の受粉を手伝い、害虫を食べてくれます。
鳥や虫たちも作物を食べますが、通常はほどほどの量で抑えているようです。
鳥が食べる分をわざと残しているお年寄りもいるそうです。

時には、山からイノシシやシカやサルなどが降りてきて、畑を荒らしていきます。
最近ではシカが異常に繁殖したために、作物被害が大きくなり、猟師がシカやイノシシを駆除する量も増えたそうです。
冬になって餌が少なくなると、鳥たちが葉物野菜を食い荒らしてしまうこともあります。
お年寄りは、文句を言いながら鳥や獣たちを追い払いつつも、彼らと一緒に冬を過ごします。

もちろん、街の人も、四季折々にお年寄りが作った作物を喜んでいただいています。
やはり、この地で造った作物が美味しいからです。
こんな暮らしが、もう何百年も続いているのです。
人と自然とが互いに領分をしのぎあいながら創ってきた、この地で一番大切な平和の遺産です。
未来にわたって、大切にしたい遺産の1つです。

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山里の水田風景
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東光院:初夏に香る紫陽花と風鈴

由良川の支流を見下ろす山あいに、菅谷山東光院が建っています。
東光院は高野山真言宗の寺院で、807年に造られた小さいけれども由緒ある山寺です。
この小さな山寺は、綾部市では別名「あじさい寺」として知られています。
鎌倉の臨済宗長谷寺ほど壮大で有名ではありませんが、梅雨時には小さな山寺にふさわしい落ち着いた味わいのある紫陽花が色とりどりに咲きます。

山への登り口から紫陽花を追いながら谷川に沿う参道を行くと、仁王門が現れます。
そのすぐ先にある「とみのおなかのはし」を渡ると、東光院の本堂に続く石段が見えます。
仁王門のところに小さな駐車場がありますから車でもいけますが、ここまで徒歩で登った方が紫陽花をゆっくりと楽しむことができますよ。

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仁王門

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本堂の入り口に咲く紫陽花

この時期(6/17)は、ちょうど風鈴祭りが行われています。
本堂前の境内に風鈴を吊るす軒が所狭しとばかりに造られていて、その軒いっぱいにガラスの風鈴が埋め尽くしています。
色とりどりの風鈴が初夏の風にそよいで、美しい響きが谷を渡っていきます。
ガラスの風鈴の硬い音色がたくさん重なり合うと、無限の和音になって、時と空間を超えて広がります。
紫陽花の色と風鈴の音色とが混ざり合って、初夏の谷間に幻想的な雰囲気を醸し出してくれます。

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風鈴祭りの風景

ふと足元を見ると、「坂本龍馬とお龍の仲人をした知足院夢覚上人の揮毫碑(石碑)移転計画予定場所 山主」との立て札が立っています。
この東光院は、坂本龍馬とお龍さんとも縁があるようですね。

*記事を書いた3日後の2019年6月20日には、知足院夢覚上人の揮毫碑は移転が終わっていました。
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街の小さな図書館:過去、現在、未来の文化の保管庫

綾部の街に、小さな図書館があります。
都会の図書館では、何万冊・何十万冊もの本がそろっていて、大抵の本を読むことができます。
小さな街の小さな図書館には、中学校の図書館くらいの本しかありません。
ですから、どんな本でもすぐに読めるわけではありません。
それでも、本が大好きで、本に埋もれて生活をしている私にとって、この街の図書館に行くのがとても楽しみです。

図書館には、綾部市の歴史資料が大切に保管されています。
風の便りによると、綾部の心ある人たちがこれまで地道に努力して集めたり寄付をしてもらったりしてきたおかげで、これらの資料が整備されてきたということです。
国会図書館でもなかなか見れない様なレアなものが埋もれているに違いありません。

そして、少ない予算でやりくりしながら図書館の方々が集めている現代の本は、小さな子供から、若い人たち、そして高齢者と、広い世代に渡って読書を楽しめる様にと考えてそろえられているのが感じられます。
一冊一冊が丁寧に装丁されていて、本の扉を開いたそのときから、その本の中身が想像できてワクワクするような気配りがあります。

この図書館の本は、読む人たちがこれからの街を創っていくためのヒントになるかもしれません。
この図書館で読んだ本が、その子供の未来を大きく変えるかもしれません。
そういう意味では、この図書館は、街の未来の文化を創造するための宝箱かもしれません。

もちろんこの図書館でも、インターネットで書物を検索することができますし、他の図書館から書物を取り寄せることだってできます。インターネット社会の普通の図書館です。

この図書館は、近い将来、今流行りの駅前図書館に変身するそうです。
場所が移っても、今の図書館の良いところをこれまで以上に発揮して、綾部の街づくりに一役買うことができれば良いですね。

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綾部市図書館の建物
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あやべグンゼスクエア:創業、現在、未来、続く創業の力

綾部駅の北側に、あやべグンゼスクエアが広がっています。
繊維・材料メーカーのグンゼ。その発祥の地が、綾部なのです。
綾部で生まれたこと、この地で育ったことを大切に思って、グンゼは本社を綾部市に残しました(もちろん、実質的な本社は大阪にあります)。
そして、この地を忘れず、この地に貢献するために、今では市民の広場となっている「あやべグンゼスクエア」を造りました。
綾部の人も、グンゼへの想いは深く、その恩義を忘れることはありません。

そのあやべグンゼスクエアには、あやべ特産館、グンゼ博物苑、あやべバラ園などの施設が並んでいます。
緑が少なく、人工的で殺伐としがちな綾部市の北側に、新しい交流の場を作り出しています。

バラが咲き誇るバラ園の横には、グンゼ博物苑の建物が立っています、
グンゼの歴史を展示した建物が3つ並んで建っているのです。
建物には、創業蔵、現代蔵、未来蔵の名前がついています。

創業蔵には、絹糸の紡績の創業からの歴史。
現代蔵には、今の主力製品。
未来蔵には、医療などの新製品や未来への夢。

が並べられています。
その時代、その時代の人たちに、大切にされてきたお宝です。
創業蔵にあった過去のものと思われるものや技術も、未来の新しい価値観と技術と人に触れることで、再びオンリーワン、ナンバーワンを作り出す力になることを待っています。

そして、その力がまた綾部の人を創り出して行ってくれるものと信じたいですね。
色々な人との交流が、新しいものをどんどんと生み出して行くのです。

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グンゼ本社

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グンゼ博物苑

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なんじゃもんじゃの花

もうすぐ初夏が近づいてきていますね。
春から夏に向かって、街じゅうが活気を帯びてきます。
街のあちらこちらでイベントが行われます。

そんな折のことです。
大本さんの横にある金龍庵と言う和菓子屋さんの柏餅が美味しい、と言うことを聞いて店を訪ねてみました。
そうしたら、あるある。
柏餅が、並んでいます。
さっそく、柏餅を2つ買って帰ろうとしたら、店のおばさんが

「ちょっと、窓の外に白い花が咲いとるやろ?その花の名前、知っとるか?」
と尋ねます。私が首を横に降ると、
「その花はな、なんじゃもんじゃ言うんやで。変な名前やろ。
なんでもな、その花を見た人が和尚さんにその花の名前を聞いたら、和尚さんは『その〜、なんじゃ〜』と言うて、はっきり答えられなんだらしいんや。
そんで、なんじゃもんじゃいう名前になったらしいで。本当の名前は、ヒトツバタゴ言うらしいな。
大本さんの中に行ったら、奥の方にもっと綺麗なのがあるから、見といでな。」

と教えてくれました。
後で調べたら、この花の話は日本中で有名らしいのですが、こんな話を始めての客に丁寧に説明してくれるおばちゃんがあちらこちらにいる、そんな街が綾部なんですね。

ちなみに、金龍庵はお昼からの営業だそうです。

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金龍庵

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なんじゃもんじゃの花(大本さんの境内)
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平和の鐘:街をつつむ平和のメロディー

綾部では朝夕の2回、どこからともなく低周波の鐘の音が聞こえてきます。
最初は「どこかのお寺の鐘かな」などと思っていたのですが、どうやら違います。
これは、綾部市の藤山公園に作られた「平和の鐘」の音色だったのです。
この平和の鐘は、1980年に綾部市の30周年に合わせて世界連邦都市宣言の平和モニュメントとして内田繁さんが作制されました。
指針のように大きな音叉の鐘ですから、周波数が低く、そのせいもあって音色は綾部市の隅から隅まで届きます。
私には最初、この音色はただの「音」にしか聞こえませんでしたが、正確には「平和のメロディー」という名前が付いているそうです。
この平和モニュメントについては、以前「綾部駅前の平和モニュメント」のときに書きましたが、綾部市のホームページによりますと、世界連邦都市宣言をした後、この平和の鐘を含めてすでに8つのモニュメントが制作されているそうです。

http://623ikaruga.sakura.ne.jp/monument.html
(このアドレスは、セキュリティーが高くないようなので注意してください)

綾部の人々の平和への願いが、長く息づいている証拠ですね。

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平和の鐘(綾部市ホームページより)
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東京から来た人の独り言

風が私に語りかけた。
「あなたが綾部が好きになったのは、どうしてですか?」
私は、次のように答えた。

東京から綾部に来て間もないので、私は綾部のことは良くわかりません。
東京は、お金も、ものもあって、人もたくさんいますし、何よりもたくさんの情報で溢れています。
東京にいると、なんでもできるように思えます。
やりたいことに心を燃やしている人にとっては、東京ほど魅力的な場所はないでしょう。
ですから、たくさんの若者が夢を求めて東京に行くのです。

一方綾部は、東京ほど多くの人はいませんし、お金儲けのためのビジネスに適した場所とはお世辞にも言えませんね。
しかし、街に出れば生活に必要なものはいつでも買えますし、豊かな自然もすぐ近くにあります。
今はインターネットの時代です。
綾部にいても、世界中の情報を集めることは簡単にできますしね。
遠く離れた人と会いたければ、いつでもテレビ電話で会話をすることだってできます。
綾部は、決して不便なところではありません。
そして綾部で一番大切なことは、心暖かい人に溢れていて、この地に根付いた奥深い文化があることです。
人として生きていくために大切なもの、都会や他の地では決して得られない大切なものが、この地にはたくさんあるように感じます。
自分の時間の流れにじっくりと向き合って、自分の心に語りかける文化に触れ、自然の中で心を育んでいく中で、私はその大切なものを見つけることができるような気がするのです。

もし都会で心が折れそうになった人がいたならば、自分の夢を追うことに疲れてしまった人がいたならば、ふらりとこの地に来て、1時間でも、1日でも構いませんので、この地の人や文化に触れることで心を癒して都会に戻って、再び夢を追いかけていく力にすることができるならば素敵ですね。
もしそのときに自分にとって大切なものを発見できそうならば、思い切って1年2年とこの地で生活し、この地の人や歴史や文化にじっくり触れ、この地で一緒に文化を作り上げて行くことでその人の新しい人生の再スタートができるならば、もっと素晴らしいですね。

大地に生える樹木のように、しっかりと大地に根を張り、思い切り枝葉を伸ばして、自然の恵みと歴史の中で人が積み上げた文化を感受していくことができれば、どれほどか素晴らしいことでしょう。

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綾部霧:生命を育む由良川の恵み

綾部は、周囲を山で囲まれた盆地です。
よく晴れた夜に美しい星空を広げてくれる澄み切った空は、地上の熱を容赦無く吸い上げて奪い去ります。この放射冷却は、日が昇るまで地表の気温をどこまでも下げてしまいます。
一方、由良川の暖かい水からの水蒸気は、川面で蒸発して湿った空気をたっぷりと蓄えます。そして、この放射冷却によって冷やされた由良川の水蒸気は、最も気温が下がる夜明け前に一気に凝結して川面で霧となります。
この川面の霧は、由良川に沿って東から西から南から、綾部の街を覆います。
この霧は四季を通じて発生し、「綾部霧」と呼ばれているそうです。

綾部霧は地上の生命に試練と恵みを与えてくれます。
冬や早春の寒い時期には、霧は霜と化して地上に降ります。
地上の草木や作物は、この霜の与えてくれた氷の試練に耐えて、暖かくなったときにその生命の喜びを一斉に謳歌します。試練に耐えた野の花々は美しく、作物は甘く香り高く育ちます。
灼熱の夏には、綾部霧は草木の上に恵みの水を露となって結びます。夜のうちに酸素呼吸をして体内にたっぷりの水を作り出した上に、露からの恵みの水をもらうおかげで、綾部の草木は夏でも元気でいられます。
草木や作物が元気ならば、人も獣たちも元気にいられます。
こんな風に由良川は綾部霧となって、綾部の生きとし生けるものに生命を与えてくれるのです。
生き物は全て自然に生かされているのですね。

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由良川の西側で発生した綾部霧

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街中に広がりつつある綾部霧

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千年のお寺でお泊り:那智山 正暦寺

大本さんの長生殿からさらに奥に進むと、那智山正暦寺(しょうれきじ)が姿を表します。
いきなりお墓が現れてドッキリしますが、夏は涼しく、冬は賑やかでオツなものです。

高野山真言宗のお寺で、942年に空也上人が彫った観音様をここに祀ったのが建立の由来だそうです。
古いお寺だけあって、国の重要文化財や市の指定文化財などたくさんの貴重な文化財が保管されています。
座視鑑賞しながら眺める庭園は、京都府指定の文化財に指定されている名勝です。

実はこのお寺、宿泊ができるのです。
(テラハク https://terahaku.jp/detail/natisanshourekiji
宿泊すると、竹林座禅や写経などの体験ができたり、記念の御朱印状を作ってもらったり、サービス満点のおもてなしをしてもらえます。
和尚さんから様々なことを教わるのも、普通の旅館に泊まるのと違った体験になりますね。
もちろん、お寺ならではの、軍鶏(シャモ)料理や精進料理などに舌鼓を打つこともできますよ。

歴史の余韻に浸りながら、身も心も洗われて、満腹!
これ以上の贅沢はありませんね。

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いにしえからの風:私市丸山古墳公園

綾部市の西北に私市丸山(きさいちまるやま)古墳があります。
1988年に発見された、1600年前の古墳時代中期に由良川流域を治めていた王の墓です。
無料駐車場のそばにある入り口から、山道の石段を息を切らせながら登っていくと、3分ほどで頂上に出られます。

この古墳は、直径が約71mもある京都府内最大の円墳です。
古墳の頂上には二人の王が埋葬されていました。
木製の棺からは、よろい、かぶと、刀、などや、鏡や玉などが見つかったそうです。
これらの副葬品は、現在、綾部市資料館に展示されています。
頂上から3重の列をなして円筒埴輪がおよそ1000個も並んでいて、王の権力の大きさを思わせます。

古墳の頂上から見渡すと、由良川の流れや、綾部の街並みが一望できます。
聞こえてくるのは、小鳥のさえずりだけです。
風が吹いてくると、いにしえの王の思いは、その風に乗って古墳を駆け下ります。
風に乗って由良川を上り、綾部の街並みを通り過ぎ、京都に向かって吹き抜けます。
京都から山を越えてきた都の風と一緒になって、綾部の人々の暮らしを見守っているかのようです。
今の王が、しっかりとした治世をしているのかどうかを確かめるかのように。

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3重の列に並んだ円筒埴輪

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古墳の頂上から見た綾部市街
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星の街

遅い夕食の後店を出てふと空を見上げると、満天の星空が広がっている・・・
というようなことが良くあります。
綾部は、星の街です。

その美しさは、しっとりとして静かで、厳かな感さえします。
古来からの綾部の物語が秘められているかのような深い星空に、思わず足を止めて見とれてしまいます。
綾部に住んでいると、夜空の星がいつの間にか心の中に住み着いてしまうようです。
市役所の前の像「一番星み〜つけた(作:山田進 氏)」の中に、市民の星への思いを感じます。
里町の山の上には天文館パオが建っていて、星の観測をしたり、市民の方々に星にまつわる活動を提供したりしてくれています。

綾部は雨の多い日本海側であるにも拘らず、気象庁の発表する星座指数が年間を通じて高い数値となっています。星座指数が高い理由は、よくわかりません。
周囲を山に囲まれていて地平光が遮られたり、夜遅くには民家の明かりが少なくなったりするせいか、美しい星空を見ることができます。
夜中0時頃から夜明けにかけては、綾部の夜の星空はとても綺麗に見えることが多いですね。
なぜ綺麗に見えるかは、パオの館長さんに聞けば、きっと教えてくれるかもしれませんね。

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山田 進 氏作 「一番星み〜つけた」

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天文館パオ(天文館パオホームページより)
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アートで平和を:7つのPeace Trail

綾部を散策していると、街の所々に「Peace Trail」と称した陶板を目にします。

「綾部の文化財を守る会事務局だより」によると、これは綾部商工会議所の提案公募型地域活性化事業の一環として、2000年3月に「平和をかたちに〜'陶板de街角ギャラリー'」として作られたもので、7つの作品が街に飾られているそうです。

https://star.ap.teacup.com/ayabebunnkazai/470.html

陶板に込められた綾部の人々の平和を願う心が、暖かく伝わって来ますね。
7つの作品を探訪しながら、綾部の「平和の文化」を味わうのも楽しいですね。

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綾部市立図書館前 「蘭」 曽根豊 作

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大本本部茶店横 「笠松」 出口すみこ 作

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タイムワープ:大本通り

アイタウン西町を南にまっすぐ行くと、その突き当たりから左に「大本通り」が伸びています。
この通りは、その名の通り「大本さん」に続きます。

この「大本通り」、なんだか昔々の道を歩いているような錯覚を覚えます。
タイムワープしているようです。
「綾部の博物館」を自負する古民家食堂「燦々堂」から始まって、薬の引き出しがたくさん並んだ漢方薬局や、鉄砲火薬屋さん?、かしわ肉(関西では鶏肉のことを「かしわ」と言います)専門店、雰囲気いっぱいの料亭、などなどが、当たり前のように並んでいます。

素敵な人のふれ合いの予感がします。

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白波瀬鉄砲火薬店さん

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赤尾漢方薬局さん

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会い、愛、私の「アイタウン西町」

「アイタウン西町」は、昔から綾部の人たちに愛されている身近な商店街です。

「impact(ワクワクとする衝撃にあふれた街)」
「identity(個性的な魅力を持った街)」
「interaction(人と人とが出会う街)」
「information(情報にあふれた街」
「I(私自身の街)」

な〜んて、色々なアイを思い浮かべてしまいます。

お菓子屋さん、ケーキ屋さん、文房具屋さん、食堂やレストラン、FMいかる、商工会議所などたくさんのお店が集まっています。
街の片隅に、昭和62年に建立された石碑「いまに引き継ぐ商いの魂」が立っています。
この魂は、今も引き継がれいていますよ。
天気の良い日は車を置いて、アイタウンをぶらぶらすると、いろいろな出会いがありそうですね。

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大本さん

綾部は、大本教発祥の地としても有名です。
大本教(大本)は、教祖出口なおと、その娘婿の教祖出口王仁三郎が1898年につくった神道系新宗教です。
私のような風にとっては、このような宗教が始まった詳しい経緯はわかりませんが、1892年に出口なお教祖が「うしとらの金神」のお告げを授かったことが始まりということです。
今までに国の弾圧を受けるなど多くの試練があったそうですが、いまでは亀岡や東京などにも拠点を持つ宗教法人として多くの信者とともに活動をしているそうです。
優しい心を持った人が綾部にたくさんいるのは、この大本さんのおかげかもしれませんね。

綾部駅から街を散策しながら15分ほど歩いて大本本部に行くと、写真のような立派な弥勒殿や茶室などの建物が立っていて、その横には乙姫様やたくさんの神様の住まいがある金竜海を表現した日本庭園が広がっています。
静かで心洗われるような清々しさの中で、今も流れている神様の歴史の一端を味わってみればいかがでしょうか?

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弥勒堂

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金竜海
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