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綾部霧:生命を育む由良川の恵み

綾部は、周囲を山で囲まれた盆地です。
よく晴れた夜に美しい星空を広げてくれる澄み切った空は、地上の熱を容赦無く吸い上げて奪い去ります。この放射冷却は、日が昇るまで地表の気温をどこまでも下げてしまいます。
一方、由良川の暖かい水からの水蒸気は、川面で蒸発して湿った空気をたっぷりと蓄えます。そして、この放射冷却によって冷やされた由良川の水蒸気は、最も気温が下がる夜明け前に一気に凝結して川面で霧となります。
この川面の霧は、由良川に沿って東から西から南から、綾部の街を覆います。
この霧は四季を通じて発生し、「綾部霧」と呼ばれているそうです。

綾部霧は地上の生命に試練と恵みを与えてくれます。
冬や早春の寒い時期には、霧は霜と化して地上に降ります。
地上の草木や作物は、この霜の与えてくれた氷の試練に耐えて、暖かくなったときにその生命の喜びを一斉に謳歌します。試練に耐えた野の花々は美しく、作物は甘く香り高く育ちます。
灼熱の夏には、綾部霧は草木の上に恵みの水を露となって結びます。夜のうちに酸素呼吸をして体内にたっぷりの水を作り出した上に、露からの恵みの水をもらうおかげで、綾部の草木は夏でも元気でいられます。
草木や作物が元気ならば、人も獣たちも元気にいられます。
こんな風に由良川は綾部霧となって、綾部の生きとし生けるものに生命を与えてくれるのです。
生き物は全て自然に生かされているのですね。

20190404由良川西の綾部霧.jpg

由良川の西側で発生した綾部霧

20190404街中の霧.jpg

街中に広がりつつある綾部霧

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